スイスの首都はベルン。同じドイツ語圏のチューリッヒやフランス語圏のジュネーブやローザンヌのほうがよほど知名度がある。
アメリカ人作家ウイリアムフォークナーの短編集「熊」にはタイトルにもなった野生の大熊が登場する。この世のものとは思えぬほどの圧倒的な存在でその熊が住まう森と一体となっているそんな超越的な熊が描かれている。
ベルンというのはドイツ語で熊である。その昔現在のベルンを建設するにあたって猟をして最初に獲物になった動物の名前で呼ぼうとなったらしい。最初の獲物が熊だった。現在ベルンの町の外れの一角に熊が見世物とし飼われている。フォークナーの熊とは程遠いまるで物置きに置かれた着ぐるみの熊のようだ。しかしこの街誕生秘話を耳にすると誰もがフォークナーの熊を思い出すことだろう。
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