2007年12月1日土曜日

Lyon リヨンビエンナーレ2007





リヨンビエンナーレの会場は市街に点在する。ベルクール広場からトラムに揺られて十分ほど南へいったところにある再開発が進むローヌ河岸の旧工場も会場のひとつだ。
リヨンに着いて当日の宿泊先を探すために訪ねたベルクール広場の観光局でビエンナーレの案内をもらう。会場が市街地に点在することがわかった。時間が限られていたので一番期待できそうということでこの会場を選んだ。頭の片隅にヴェネチアビエンナーレの旧造船所アルセナーレの会場の記憶があったからだろう。 ローヌ河岸には多くの小船が停泊している。外見からしてあるものはレストランあるものは住居として使われているようだ。会場の工場はまさに河岸にありすぐ横には水上バスの停留所と小船がカフェテリアとして停泊している。
旧工場の大きさは横浜のレンガ倉庫の半分くらいだろう。入口に併設された情報センター兼チケット売場はその日日曜日ということもあってか行列ができていた。外国人らしきはおらず地元の人が大半のようだった。
工場のなかは三層にわかれ各層とも所狭しとインスタレーション、彫刻、ビデオアートと作品が並ぶ。お客さんの様子とはちがい作家は国際色豊かだ。
作品そのものに目を転じてみる。いくつかの作品に刺激を受けた。バレーボールを一回りか二周りか大きくした大きさの透明のビニール製の球に360度植物を植えて四方八方からロープで引っ張り宙吊りにした作品だ。植物は管に繋がれどうやら点滴のごとく水が与えられてるようだ。時折水滴が地べたにぶっきらぼうに置かれた皿に静かに落ちる。このインスタレーションの部分だけ湿気に覆われているようで植物園にいるようだ。植物の生息する球はおそらく地球のデフォルメだ。しばらくそこにいると水滴は地球の流す涙に見えてくる。
二層階中央にはイベントのために大きく広間が設けられている。その日はダンスパフォーマンスに出会うことができた。リヨンはダンスの盛んなことでもよく知られている。ベルクール広場にほど近いジャンヌーベルが改装を手がけたオペラ劇場の一階のアーケード状の入り口の床には若者たちが集まり、オペラ劇場という堅苦しい響きから遠く離れたストリートダンスを思い思いに興じているのを目撃した。黒光りする大理石の床にヌーベルの代名詞でもある艶のある赤のネオンが交錯する光景を背景が強烈に印象に残る。

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