2007年12月1日土曜日

Paris ベルシー橋 


ベルシー橋を探すにはセーヌ右岸の大蔵省の建物が目印となる。たとえばベルシー駅やリヨン駅のほうから歩いてきたときにはなんとも目障りなという印象だ。見た目でいえば全体がダイナミックで篠原一男張りの記号的な造形と外観の模様をみるとポストモダンの典型と一蹴したくもなる。ベルシー地区はパリの都心部から外れに位置し再開発が進められてきたことでも知られる。左岸のほうに目をやると同じ穴のムジナという印象はある。
ところがこれをセーヌ川に出て眺めてみると印象が変わる。この建物の執拗なまでに連続する窓と橋の連続する柱とアーチと電車の連続する窓の出会いだ。この橋の特徴は橋の上に鉄道のための高架橋が設けられ車道と鉄道の二層構造になっている。それにセーヌを行き交う観光船をいれると三層構造か。ついついカメラを手にすると三者の出会いを押さえたくなる。ドラマチックな風景だ。エリックロメールの映画「クレールの膝」でアヌシーの跳ね橋のあのシーンを思い出さずにはいられない。
映画のフィルムを想起させる大蔵省のファサードはドラマを助長しているようだ。
偶然かシネマテークフランセーズは大蔵省のあの連続する窓から見下ろせる位置にある。

1 件のコメント:

ブンブン さんのコメント...

写真を見るととってもわかりやすく、全体がよくわかりますね。船路・鉄道・車道がひとつにまとめられていて面白いなと思いました、撮らえている瞬間も美しいなと感じました。